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6月度部会を開催しました

開催日:平成29年6月13日(火)

会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)

来場者:108名

 

 一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第161回理事会ならびに平成29年6月度部会を開催した。
 この日の部会では、会員企業からのプレゼンテーションとして、グローリーナスカ株式会社、ダイコク産業株式会社、株式会社ウィッシュの3社から製品等の紹介が行われたほか、遊技業界におけるパチンコ・パチスロへののめり込み対策の一環として日工組が将来に鑑み取り組んでいる「管理遊技機」について、日本遊技機工業組合(日工組)の渡辺圭市技術担当理事を招き、現状の構想と今後の展開等、動向に関する話を聞いた。

第一部 会員プレゼンテーション
■グローリーナスカ株式会社「遊導分析」

製品紹介の前に挨拶を述べたグローリーナスカ株式会社の宮崎昌彦取締役(左)と説明を担当した同社・堀金泰陽氏

製品紹介の前に挨拶を述べたグローリーナスカ株式会社の宮崎昌彦取締役(左)と説明を担当した同社・堀金泰陽氏

 

 グローリーナスカ株式会社からホールコンピュータとカードユニットによる情報分析システム「遊動分析」が紹介された。説明にあったのは同社の堀金泰陽氏。本システムは同社と株式会社北電子の共同開発によって製品化されたもので、プリペイドカードの利用状況と遊技台成績を紐づけ、プレイヤーの遊技動向を多角的に分析し、遊技台に係る営業戦略をサポートするというもの。他業種における会員カードが利用履歴の分析から、より良い品揃えと仕入の効率化、求められる付加サービスを追求しているのと同様、パチンコホールにおいても、プレイヤーの支持を適切に把握することで効果的な施策を実行することが当然に求められている。
 堀金氏からは遊動分析で特徴的な分析項目「初遊技」と「遊動相関」の2つが取り上げられ、それぞれの項目が持つ意味と活用法について紹介があった。「初遊技」とは、来店して最初に遊技する台を指すもので、端的には自店において来店動機となっている機種を意味する。機種毎の初遊技人数を把握することで、当該機種の設置台数に対する支持率を捕捉することが可能となり、機種毎の導入台数の過不足判断に役立つ。また「遊動相関」とは、移動先の機種候補を絞り込んだもので、入店後はじめに遊技した機種から次にどの機種が選ばれているのかを表すもので、この情報は多種多様な機種を取り揃えて行く上で、次回の入替に向けた重要なファクターと成り得ると、実データを用いた解説があった。

 

■ダイコク産業株式会社「パチンコホール経営支援策の提案」

サービスの提案の冒頭で挨拶を述べたダイコク産業株式会社の栢森雅勝社長(左)と説明を担当した同社、佐藤信悟取締役

サービスの提案の冒頭で挨拶を述べたダイコク産業株式会社の栢森雅勝社長(左)と説明を担当した同社、佐藤信悟取締役

 

 ダイコク産業株式会社から「経費に拘ったパチンコホール経営支援策」が提案された。同社はダイコク電機株式会社の子会社で、同社を定年退職した有能な人材が、そのセカンドキャリアの選択肢として、ダイコク電機で培った知識、知恵、人脈を活かせる労働機会を提供することを目的に設立された会社。主にパチンコホール全般に係る各種サービスを提案する経営支援活動を展開している。
 今回は「YouTube広告」と「電気料金の削減(新電力+エコミラ)」の2点を紹介した。説明にあたったのは同社取締役の佐藤信悟氏。まず動画投稿サイトのYouTubeへ広告出稿するメリットについて、マス広告媒体もテレビや新聞折り込みチラシがパチンコやパチスロのプレイヤー層、ターゲット層へ必ずしも訴求力が高いとは言えない時代、マストアイテムはスマートフォンに変わっているため、web広告が効果的でコストパフォーマンスに優れていると話があった。
 web広告の強みは詳細な視聴データが細くでき費用対効果がはっかりわかることに加え、プレースメント分析などマーケティングを通じ、最大化を狙って行ける点にある。この強みを具体的に紹介するとともに、料金体系など仕様面について説明があった。
また電気料金の削減では、規制緩和によりスタートした新電力に着目。供給方法としてベース部分を従来の電力会社、ピーク部分を新電力 会社から受けることで基本料金は下げられると解説。あわせて使用電力をコントロールすべく、エコミラ導入で電力消費自体を抑える方法が紹介された。

 

■株式会社ウィッシュ「トータルプロモーション」

業務内容を紹介した株式会社ウィッシュの平川容大プロデューサー(左)と同社、葛西徹也マネージャー

業務内容を紹介した株式会社ウィッシュの平川容大プロデューサー(左)と同社、葛西徹也マネージャー

 

 株式会社ウィッシュは広告プロモーション、チラシ・販促物制作、web広告・システム制作、各種キャンペーン・コラボ企画から店舗設計、マーケティングまでプロモーションに係るすべての工程を総合支援している。同社は株式会社ジョイナスの関連会社として、パチンコホールのプロモーション実績も数多く、今回のプレゼンテーションでは冒頭でプロモーション映像を使った事業紹介が行われた。説明にあたったのは同社プロデューサーの平川容大氏と、マネージャーの葛西徹也氏。パチンコホールのプロモーション実績についても、事例店舗をスクリーンに映しながら、企画コンセプトから意図も含めて解説があった。
 プロモーション分野は自社単独で展開していく場合、多様な案件毎に見積りが発生しがち。ウィッシュではすべてのプロモーション案件を一括して監修することで、単独展開した場合より優れた費用対効果を発揮できるとの紹介があった。

 

第二部 管理遊技機など日工組活動の状況について
講師:日本遊技機工業組合 技術担当理事 渡辺圭市氏

2017.06渡辺理事2

 

 日工組の渡辺理事から、現在、日工組内で進めている「ハヤブサプロジェクト」の進捗状況と、警察庁から〝のめり込み(パチンコ・パチスロ依存)対策〟の一環として打診されている「管理遊技機」の実現に向けた、取り組みの内容等について話があった。
 ハヤブサプロジェクトは昨年、日遊協と協調し「より手軽に遊べるパチンコ機」の市場導入を目指し始まった「ちょいパチ」が一定の成果を挙げていることに鑑み、本プロジェクトでは「短時間で」「遊びやすく」「遊技結果の満足」を求めた仕様の遊技機を、日工組メーカー間で申し合わせを行い、同仕様の遊技機での市場シェア獲得を目指そうというもの。具体的なゲーム性は「2回セットタイプ」で、出玉性能は「中くらいのもの」と説明があった。現在、各メーカーで開発が進められており、ラインナップが揃ったところで足並みを揃えリリースする事を予定している。
 渡辺理事は「ちょいパチでは少額での遊び易さ、初心者でも安心して遊技できるものを目指した。ハヤブサプロジェクトでは、これまでのセブン機が継続性を重視してきたため、帰宅前のちょっとした時間や、1時間程度の空き時間で満足に遊べる遊技機が無くなっている。このニーズを満たす機種を揃って出すことで、島の一角を獲得できればと考えている」と話し、本プロジェクトを推進する意図を説明した。

 「管理遊技機」の構想については、遊技機規則の改正がなされなければ規格案の実現は難しいものだが、昨今、政府が進めるギャンブル等依存症対策の検討を受け、遊技業界に対し、警察庁ではのめり込み対策に関する要請をホール団体、メーカー団体らに行っているところ。ホール団体へは、従来から取り組む相談機関において機能や相談員の充実、過度なのめり込みを懸念するプレイヤー向けに自己申告プログラムの一層の導入推進を求めている。遊技機メーカーには、のめり込み対策に資す管理遊技機の実現を求め、この件はホール団体にも直接周知している。
 管理遊技機とは何かについて、渡辺理事は「以前、構想をお伝えしたことがあるECO遊技機と同様であると考えて欲しい」と述べ、管理遊技機が上皿を持たず、遊技球が筐体内で還元する仕様であるものだと紹介。のめり込み対策に関する性能については、遊技機の出玉情報を外部と通信できる仕組みを考案している。この通信機能を使い、検定を受けた状態と同様の性能で稼働しているのかを確認できることは、開発時に意図しない高い射幸性の遊技機が存在しないか確認できるようになる一方、異常データの検知も可能となることから、プレイヤー、パチンコホール双方にとってもセキュリティ上の安心を与えられるものだと話があった。
 現在は警察庁も交え通信方法に関する部分も含めた検討を行っており、その結果が規則改正の内容で示される見込みで、日工組としては管理遊技機に関する取り組みを進めているとのことだった。
 この後、仮に管理遊技機が実現した場合の導入準備から、規格と仕様、そこで可能となるゲーム性の見通しといったポイントが、渡辺理事の私見も交え、種々の内容が伝えられた。