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新型コロナウイルス感染症に関する定期調査終了の報告
一般社団法人余暇環境整備推進協議会では、会員企業の新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)に対する拡大防止意識の高揚と、遊技産業全体で取り組んでいる【パチンコ・パチスロ店営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン】の遵守を促すことを目的に、2020年10月から2022年10月まで毎月会員企業へ感染症に関する調査を実施しました。
調査項目は「従業員数」および「当該月のPCR検査人数」と「当該月の陽性者数」の3項目。毎月の回答は都度集計を行い、その集計結果と当該月の日本の総人口、PCR検査人数、陽性者数を併記した表を回答企業へ報告しました。
2021年9月時点までの同調査では、コロナ第3波の2021年2月およびコロナ第5波の2021年7月の余暇進会員企業の従業員の陽性判明率が全国の陽性判明率以下だったことから、全国との比較においてPCR検査を頻繁に行っていること、陽性判明率はPCR検査比率より少ないことから、迅速なPCR検査を行うことでクラスターを未然に予防できているのではないかと考えました。
この仮説を検証するべく、2021年9月時点までのテータを持って専門家へ分析を依頼しました。依頼先の京都大学・藤井聡教授からは評価について「データを見る限り、2020年度においては、余暇進会員企業のPCR検査率は全国平均に比して幾分低い水準が見られていたが、2021年度以降、逆に余暇進会員企業の方がむしろ統計的に有意に高い状況となっている」、「一方で、コロナ陽性率は、2021年の3月、4月において余暇進会員企業の方が全国平均よりも高いという傾向が見られたが、2021年5月以降を含めたそれ以外の期間において、両者の間に統計的に有意な差は認められない」との評価をいただきました。
またこの結果を会員に連絡するとともにプレスリリースの発信ならびにホームページ上でも公開し当協議会の活動を広報しました。
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2021年10月以降も当協議会では感染症拡大予防の遵守と感染予防意識の高揚を図ることを目的に同調査を継続実施しました。
本調査の後半となった2021年10月~2022年9月までの調査結果は資料1~3の通りです。全国のPCR検査率を上回った回が12回中4回。全国の陽性率を上回った回が同9回となりました。
当該期間中に緊急事態宣言の発令はなく、2022年初頭において一部都府県でまん延防止措置が適用されました (参考1)。新規感染状況では2022年2月に月間200万人、2022年8月には月間600万人の感染者となりました。
一方、政府の旅行支援などの経済対策中心の動きに伴い、重症化リスクの低下等による危険認識の低下が社会に広がりました。日本交通公社の「新型コロナウイルス感染症流行下における日本人旅行者の動向(その21)」(2022年9月12日発表)によると、感染症の流行と旅行意欲の相関性が弱まり、2022年7月時点において「コロナにとても心配している」との回答が2020年5月以降で最低を記録しています。
当会での調査結果は、感染症の実態がある程度わかってきたことや、ガイドラインによる感染拡大防止等の措置を的確に行うことにより、陽性の可能性が高い従業員に対し極めて効果的な対応を行うことにより、結果的にクラスター感染を未然に予防できていたのではないかと推定しています。一方、各企業の従業員を単位にPCR検査を行った人数やその結果について報告を求める本調査は、ほとんどのPCR検査は従業員が自発的に体調不良を理由に行ったものであるのに対し、政府のPCR検査の全国統計は、移動や旅行の際に新型コロナウイルス感染症の陰性を証明する検査を行うために、全国で無料のPCR検査事業所が増えていったことから、差異が広がったものと想像されます。
この他、本調査の質問に設定していないため「濃厚接触者数」は不明ですが、2022年初頭の第6波、夏場の第7波において従業員が濃厚接触者となったため、職場を休むことで事業運営に影響が出たという話を各方面から聞いたことから、引き続き従業員と従業員の関係者に至るまで感染拡大に対する予防意識を高く持つことが、企業の安定経営につながると考えられます。