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3月度部会を開催しました

開催日:平成28年3月8日(火)
会 場:在日本韓国YMCAアジア青少年センター(東京都千代田区)
来場者:94名

 

 平成28年3月8日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は東京・水道橋の在日本韓国YMCAアジア青少年センターにおいて第147回理事会および3月度定例部会を開催した。

 午後2時30分から開会した今回の部会では、第1部として4月1日より実施される「製造業者遊技機流通健全化要綱」等の説明を、当協議会の田中弘事務局長が行った。第2部では日本遊技機工業組合(日工組)の渡辺圭市技術担当理事を招き、第2次リストまで公表された「回収リストについての経過報告および今後の見通し」や、遊技くぎに関連する新たな対応として「ヘソ賞球4個以上、ベース30程度の遊技機開発」、「取扱説明書への適正ベース範囲の明示」、「手軽に楽しめる遊技機の提供」などについて話を聞いた。

 部会終了後、同所において理事会を開いた。平成28年度事業計画案および今後の部会内容等について来期事業スケジュールやその内容等について協議したほか、前回理事会からこの日までの間に開催された他団体協議の内容ならびに当協議会委員会活動について報告が行われた。

 

第一部 製造業者遊技機修通健全化要綱等を説明

 田中事務局長より「製造業者遊技機流通健全化要綱」および「遊技機製造業者の業務委託に関する規定」について説明が行われた。同要綱等は遊技機メーカーにおける新台の納品と部品交換の際に生じる保証業務(型式の担保)に係るルールを定めたもので、日工組と日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)が協調して策定し、本年4月1日から運用が開始される。当協議会では2月度理事会にて概要報告を行っているが、この日は会員向けの説明会として時間を設けた。
 説明はホール会員が多いことに配慮し、ホール側が順守すべき要点をまとめ、以下のポイントを中心に要綱の内容を伝えた

 
●4月1日からの新台納品および部品交換時におけるホール側の対応
・取扱管理者(要綱上の名称。特例ホールの従事者でかつ遊技機取扱主任者の資格を有する者)であれば、自ホールに限り新台の設置確認業務及び部品交換後の点検確認業務を行うことが出来る。それ以外の点検確認業務は自社ホールで行うことが出来る。
・遊技機管理員(要綱上の名称。ホール従事者でかつ遊技機取扱主任者の資格を有する者)であれば、特定部品以外の部品交換および点検確認業務を自ホールで行うことが出来る。

 

 上記のとおりホール従事者で新台の納品等に関する業務を担当する者は、今後、遊技機取扱主任者の資格が必要となるが、同ルールの開始までに、資格の取得までには時間を要する。このため遊技機管理員は、当面の間、ホールの管理者を暫定的に遊技機管理員とみなし、ルールが運用される旨を伝えた。

 

第二部 パチンコ遊技機の動向について 講師:日工組 渡辺圭市 技術担当理事

日工組 渡辺圭市 技術担当理事

日工組 渡辺圭市 技術担当理事

 

 まず回収リスト(出荷時の状況が検定取得時の状況と同一であると確認ができなかった機種)の件について、第1次リストの公表に至るまでの経緯について説明があり、その公表時期について関係団体事前連絡が困難であった事情が伝えられた。その理由として、調査期間の終了時期が流動的なものとならざるを得なかった点と、事前に調査対象機種も含めた内容を伝えることで、公表までの経過途中に起こり得る混乱を避けるためであった、と話があった。
 その上で「今後は、公表日を伝える事は難しいと考えているが、調査対象となる機種の範囲、調査が終了する時期については、事前に関係団体へ連絡していく」とし、その連絡後の「月初の水曜日」が大まかな公表タイミングとなるものと想定して欲しい、との事であった。
また、次回の3次リスト以降の調査対象範囲は2013年に検定を取得した大当り確率1/320以上の機種と、2014年以降に検定を取得した大当り確率1/320以下の機種を、適時調査を進め、リスト化を行っていく考えが伝えられた。
 これまでに1次・2次の回収リストが公表されたが、その回収期日(撤去期日)を明示しなかった点については「日工組では、この4月から、すべての機種が適正な遊技機として出荷できる体制となるため、その遊技機との入替が進む5月・6月までは、回収リスト機との入替もなかなか進まないだろうと考えている。このため組合員メーカーに対しては、それまでの間、各社毎に入れ替えてもらえるよう、ホールへ働きかける努力をするよう伝えている。また可及的に速やかな対応が求められているが、一般的に、それは3ヵ月程度の期間と捉えられ、時期的にも符号した考え方であると思っている」と、適正な遊技機の出荷がはじまってから3ヵ月程度を目標に各メーカーで回収努力をしていくと話があった。
 こうした考えで進めている関係から、調査対象範囲が広くなる3次リストの公表も6月中までには一定の結果が判明しているだろうとの見通しを示し、リスト公表後、順次3ヵ月後を目処に対応を図って行き、別件ではあるものの、高射倖性遊技機リスト掲載機種を今年12月までに30%以下とするホール団体側の行動目標の期日前までに、この回収リストの件を終了させたい意向であるとの事であった(ただし、前述にあるように、回収リストの調査および回収状況が流動的であるため、期日を切ってスケジュール立てられた計画ではない)。
 ホールの撤去にともなうメーカーの回収対応について渡辺理事は「①状況として設置されている回収リストの掲載機種を新台へ入れ替える場合、②設置されている回収リストの掲載機種を中古機に入れ替える場合、③回収機リストの掲載機種が倉庫等で保管されている場合、などが想定されており、それぞれのケースにあわせ各社が努力することになる。具体的には4月以降の取り組みとなってくる。その際にはメーカー対応期限についてもお伝えし、ご協力を願う事になるだろう」と話した。
 この他、回収リストの公表にあたり偽物が流布される事象が発生したため、日工組では正規リストの証明として、2次リストより押印をしており、真贋のポイントとして周知して欲しいと報告があった。
 回収リストの件は以上であるが、4月以降の販売機種についても、日工組として納品された遊技機が検定時と同様の性能である事を判断する資料として、新台販売時に添付される取扱説明書に、いわゆるベース値が記載される旨が伝えられた。このベース値は検定時同様の状態であれば、理論値として概ねホールコンピューター上で集計される数値の範囲を示したもので、ホール側でも適正な状態の遊技機である事を確認できる手段となる。
 また、ベース値と密接に絡む、始動口や一般入賞口の設計に関して、渡辺理事は「ヘソ賞球を4個戻し以上とし、遊び率も高い仕様となっていく」と述べ、基本設計の基準を決めて、型式試験に臨むよう各メーカーへ指導している状況と、その理由について話が聞かれた。
業界全体で取り組んでいる依存対策やスリーピングユーザーの掘り起こし、新規客の獲得に向けては、現在、21世紀会の中の活性化委員会で検討を重ねている「遊パチ」よりも、もっと遊びやすい仕様の「ちょいパチ」の実現に向け活動していると話があった。
 渡辺理事は「細かなスペックについては各社の判断によるが、業界を挙げてピーアールするためには、多様なゲーム性を持った機種が一定数揃った上で、店内でひとつのコーナーが確立されることが重要だと考えている。そのためにはプレイヤー向けの販促策と合わせて、ホールが積極的に導入できるような環境を作ることが先決だと思っている」と語り、適正な状態で遊技機を納品すること、適正な状態で使用されている事がわかる取り組み、単にスペックのマイナーチェンジとならぬよう、テーマを設け、具体的に多様なゲーム性を実現させた遊技機をホール、プレイヤーに提供していく事が日工組としての使命である、と話した。

 

3月度部会会場