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平成30年4月度部会を開催しました

開催日:平成30年4月10日(火)

会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)

来場者:103名

 

 一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第170回理事会ならびに4月度部会を開催した。

 今回の部会では第一部を会員プレゼンテーションとして、グローリーナスカ株式会社からパチンコホールの経営をサポートするシステム「遊動」と、株式会社エルゴジャパンから遊技用椅子「エルゴノミクスチェア」をはじめとした同社製品の紹介があった。

 第二部は2018年度の期首を迎え、余暇進内に設置されている法律サポート部会、遊技機研究委員会、次世代協議会の3つの組織について、前年度の活動成果ならびに今期活動目標等の報告を行った。余暇進全体で行っている部会以外の活動状況を多くの会員に、その内容の確認と周知を図り、興味と参加意欲を促すことで、今期における各組織の推進力を高めた。

 

第一部 会員プレゼンテーション
グローリーナスカ株式会社 遊動分析を使った事例紹介

グローリーナスカ株式会社 営業推進部 小澤諒太氏

グローリーナスカ株式会社 営業推進部 小澤諒太氏

 

 グローリーナスカ株式会社からホールコンピュータとカードユニットによる情報分析システム「遊動分析」が紹介された。説明にあったのは同社営業推進部の小澤諒太氏。本システムは同社と株式会社北電子の共同開発によって製品化されたもので、プリペイドカードの利用状況と遊技台成績を紐づけ、プレイヤーの遊技動向を多角的に分析し、遊技台に係る営業戦略をサポートするというもの。具体的にはプレイヤー1人ひとりの遊技状況を把握することで、トレンドを知り、より良い商品管理と運用につなげていくために開発されたシステムである。

 同システムの特徴的なデータ指標として「遊動アウト(プレイヤー1人あたりの稼働傾向)」、「初遊技(プレイヤーが来店後、初めに遊技した機種)」、「遊動相関(個々のプレイヤーが遊技した機種の履歴)」があり、これらの指標を使い、支持の高い機種の分析、機種同士の相性の分析などを行うことができる。

 小澤氏は本システムの導入店における活用事例を紹介しつつ、特に遊技相関を分析することによる機種レイアウト(遊技台の並び)を考察することの有効性を語った。

 

株式会社エルゴジャパン
ECアンダーボードなど遊技周辺設備を紹介

株式会社エルゴジャパン 常務取締役 宮村伸輔氏

株式会社エルゴジャパン 常務取締役 宮村伸輔氏

 

 株式会社エルゴジャパンは1989年に創業したパチンコホール向け椅子の老舗メーカー。現在もエルゴノミクスチェアの製造販売を手掛けつつ、遊技環境設備である多機能型分煙ボードや、分煙ボードと一体化でき、足元スペースを個々のプレイヤー向けに仕切ることができるアンダーボードなどを提供している。

 製品紹介を担当したのは同社常務取締役の宮村伸輔氏。同社では「ホール環境創造企業」をテーマに掲げ、前述の製品群の開発を進めている。今回のプレゼンテーションでは時代に即した環境設備として、分煙ボード、アンダーボード、エルゴノミクススチェアの主要製品を紹介した。

 はじめに、進化を続ける多機能型分煙ボードについて紹介があった。最新モデルでは分煙ボードが本来持つ副流煙の防止、収音効果等に加え、大容量家電製品も充電できるUSB電源やそれらを収納できるスペースの確保。ボードの引出幅の調整機能などを搭載し、導入メリットが向上していると伝えた。

 次にアンダーボードについて。設置イメージは分煙ボードから垂直に隣席と仕切る格好となる製品で、遊技環境の快適性を考えた場合、足元のトラブル(隣席のプレイヤーの足が遊技台の幅よりも大きく出ている。足元に置かれた荷物が隣の席を圧迫している等)から来るプレイヤー同士の口論や、遊び辛さ(着席のし辛さ)への不満を、足元スペースを明確に確保することで避けられるといった効果がある。さらにアンダーボードにアームレストや荷物が掛けられるフック、小物を置くことができるテーブル等の機能も搭載している。

 エルゴノミクスチェアについては、新製品「PULITO888」を紹介。座り心地の良いR形状に加え、シンクロチルト機構による滑らかなリクライニングの実現といった性能向上のほか、従来品に比べコストダウンも図り、より導入しやすくなった点をアピールした。

 

第二部 余暇進委員会等活動 発表会

 余暇進内に設置されている法律サポート部会、遊技機研究委員会、次世代協議会の3つの組織から前年度の活動報告があった。定例部会において委員会活動等の状況を伝える発表会の開催は今回がはじめて。当協議会の会員へ広く内容を周知するするとともに、賛同と協力につなげることが狙い。

 

坂下大貴理事(左)、郭康晴理事(中)、朴東元理事(右)

坂下大貴理事(左)、郭康晴委員長(中)、朴東元理事(右)

■法律サポート部会 発表者:坂下大貴 理事

 法律サポート部会は、2011年4月、ホール5団体で風営適正化法の改正を要望するための(風適法)検討会を開催するにあたり、当協議会から具体的な改正要望を行うこと及び余暇進業法試案(パチンコ業法案)の作成とそのための研究を行うべく発足したものである。

 2017年度中は6回の定時部会を開催。主に「遊技くぎ」、「賞品交換」、「等価交換」、「規則改正(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則案)」、「遊技機の認定等」について、それぞれが抱える課題や問題点について検討を重ねた。また規則改正に関しては余暇進として昨年8月に警察庁へパブリックコメントを提出したが、その意見書を作成するにあたり特別委員会を別途3回、集中的に開催した。当意見書については昨年の9月度全体部会にて内容の伝達と解説を行った。

 前述の遊技くぎや賞品交換等に関する検討では、いずれも現状の確認を行った上で風営適正化法令の改正または解釈の変更で対応する場合と、業法の制定による課題改善を図った場合の両面を考察している。今回の4月度全体部会に参会した会員には資料を示し、検討テーマ毎に論議した内容を紹介した。

 発表者を務めた坂下理事は昨年度中の活動を振り返る中で、パブリックコメントの意見書提出の件にふれ「パブコメを提出した結果、規則改正を中止させるには至らなかったものの、『正しいことを発言する団体』としての認知が業界内に拡がった。また、パブコメ及び当協議会の姿勢に賛同する複数の企業が当協議会に入会した」と述べ、間接的な成果を感じ得たと語った。

 なお、今年度(2018年度)の活動テーマには(1)去る3月に実施したアンケート等により、現行制度に対する改善要望や意見等を募り、業法試案をより充実させるべく推敲すること、(2)業法試案について業界他団体と協議・交渉し、業法制定に向けて協働する体制の構築を目指すこと、の2点を掲げている。

 

■遊技機研究委員会 発表者:郭康晴 委員長

 遊技機研究委員会は2013年10月、遊技くぎと遊技球によるパチンコ本来の魅力を持った遊技機の市場流通の促進を目指し発足した。会員企業であれば業種や役職を問わず参加が可能。現行プレイヤーにも受け入れられるパチンコ遊技機の開発提案を行うべく、営業成績の動向から遊技機市場のトレンド(スペックの変化)を確認するとともに、営業現場の声に耳を傾け、射幸性区分ごとの特色やプレイヤー支持について研究しつつ、長期間に亘りプレイヤーに親しまれるパチンコ遊技機の実現をテーマに検討を重ねてきた。2015年には遊技機メーカーと交渉するための準備段階まで検討を進めるも、同年後半に入り検定機と性能が異なる可能性がある遊技機の問題、高射幸性遊技機の取扱い対応、日工組内規の改正、そして2017年9月の規則改正まで、遊技機を取り巻く環境が目まぐるしく変化。現行規則を基に検討して来た活動内容の見直しが求められた。

 2017年度中は12回の定例委員会を開催。引き続き営業成績や遊技機トレンド等に関する動向の情報収集を図るとともに、営業現場が抱える問題をフォーカスした情報共有に努めた。具体的にはくぎ確認シートの導入や広告宣伝規制の順守、規則改正にともなう経過措置に関する確認、前倒し認定に係る作業ルールなど、旬の話題を取り上げ、意見交換に努めた。また規則改正に対するパブリックコメントの件では、法律サポート部会と協調して意見書の作成をサポートしたほか、日工組のハヤブサプロジェクトに関するヒアリングに協力した。この他、情報収集という点では会員企業の製品紹介も積極的に受けるなど、営業に関わる情報全般を敏感にキャッチした。

 発表者を務めた郭委員長は、今期の活動目標として「営業方法や機種構成といった遊技機以外部分も広く検討してきたい」と述べつつ「他団体や遊技機メーカーとも意見交換できるよう働きかけていきたい」と話した。

 

■次世代協議会 発表者:朴東元理事

 次世代協議会は2016年6月、若手の有志が集まり、パチンコ産業の望ましい未来像を仮定し、そこに到るまでの手法について研究・検討するために発足。委員は40代までの理事および30代までの会員企業経営者及び経営者に準ずる社員で構成している。

 ミッションの設定はなく、フリーハンドな場で自由な発想と活動を通じて貴重な経験を得ることを期待されている次世代協議会では、実質初年度となった2017年度中において次の通り3回の会合を開催した。

 2017年度活動テーマ:「余暇進活動の要諦を知る」

 4月会合:渡邊洋一郎理事(弁護士)による講演及びディスカッション

 7月会合:正副会長との懇談、ディスカッション※入会案内にて記事掲載

 11月会合:今後の活動方針について協議

 2018年4月には日工組との合同部会開催を予定しており、着実に活動の場を広げている。

 発表者を務めた朴理事は「何ができるのか模索中だが、各団体の青年部会との水平展開であったり、余暇進以外の方からも参加を募るなど多くの意見を取り入れられるように努めていきたい」と話す一方、政治や行政に興味を持って研究題材とし、業界の将来像を議論できる場として行きたい考えを伝えた。