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2016年度秋季セミナーを開催しました
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- 2016.11.25
開催日:平成28年11月9日(水)
会 場:ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)
来場者:162名
一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて、第154回理事会ならびに平成28年度秋季セミナーを開催した。
秋季セミナーの講演に先立ち笠井会長から開会の挨拶、警察庁生活安全局保安課の津村優介課長補佐による行政講話が行われた。
講演は、法律、行政・団体、報道の3分野の立場から、再度業界を復興させるために何が必要かについて語られた。
講演 第一部 渡邊洋一郎 弁護士(光和法律事務所、当協議会理事)
演題「パチンコ業界に漂う閉塞感の原因とその解消策について」
講演要旨
業界に漂う閉塞感の主な原因には① 日工組による一部パチンコ遊技機の回収・撤去問題 ② くぎに関する問題 ③ 遊技客離れの問題 ④ 賞品流通に関する問題、の4つを挙げることができる。「なぜパチンコ営業が風営適正化法でコントロールされているか」「一時の娯楽の範囲とは何か」を考察すると、現行の風営適正化法の制度下では4つの原因を完全に払拭する事はできない。
そこで、完全に払拭するにはパチンコ業法しかなく、余暇進はこのために創立以来研究を重ねてきた。業法は全てを自由にするものではなく、射幸性やその他の自由度を高めるにしても、他方で社会的な問題として、のめり込みや経済的負担の問題に対し、社会が許容できる範囲内での新しい基準を設ける必要がある。
その上で業界として法制化を望むべく他団体と調整し、立法化の方向で意見をまとめ上げられるのであれば、業界に漂う閉塞感を抜本的に解消できるのではないか。
講師:ジャパンネットワークシステム株式会社 篠原弘志 最高顧問
演題:遊技産業の今後の課題について~日遊協7年を顧みて~
講演要旨
約7年間日遊協に在籍し、専務理事等の職を経験してきた。その間の業界動向や行政対応について実務者として経験をお話する。
風営適正化法の法体系は性風俗関連の対応に偏り過ぎ、パチンコ関係は大きな法的変化はなかった。CR機導入等による急速な巨大産業化に意識改革が伴わなかった等により、社会や産業規模に合わせた変革が遅れたのではないか。
業界が抱える様々な懸案事項を改善するには、カウンターリアクションからの脱却が大事だ。業界として戦略的な思考をもって動くために事務局やシンクタンクを充実させることが必要である。また、現代はインターネットもあり、行政も透明化に迫られている。警察は社会の秩序維持のために業を所管しているので、世論に動かされやすい。政治も同じだろう。
遊技業を建て直すには、今般の回収機撤去の問題が決着している前提で、遊技機規則の体系やその解釈基準などを抜本的に見直し、遊技機の開発の活性化を促すことによるゲーム性のアップが次の世代を育てる上で必要なことだ。
この他、健全化へのインセンティブの付与として特例営業者を取得しやすくし、よりインセンティブを与え、守れない者を少数派にすることで業界を健全化に導いて行くといった戦略的な思考を持ち、行動を起こして欲しい。
講師:株式会社遊技通信社 伊藤實啓 代表取締役(当協議会監事)
演題:「変革期を迎えた遊技業界が為すべきこと」
講演要旨
「レジャー白書」の編集に携わってきた経歴から、ギャンブル型レジャー産業の変遷を知ることは、遊技業界が直面する課題への取り組み方や業界の将来の在り方を考えるうえで必要なことをお話しする。
産業ライフサイクル論から見ると、遊技業界は成熟期から衰退期に入りつつある状態だとして、新たなライフサイクルへの転換点となるイノベーションが必要だ。
遊技業界において優先して解決すべき問題には「遊技くぎ」「賞品流通」「射幸性管理」の3点がある。「遊技くぎ」の問題は、このままの状態で放置して良いのか、業法あるいは現行法令の改正などを通じて解決すべきではないか。「賞品流通」の問題は、数年前の大阪地裁判決にて、賞品の市場性と等価性などがポイントとなった。気に留めるべき事柄である。「射幸性管理」は、出玉の最大量だけを視点とするのではなく、現代社会において時間は非常に重要な価値であり、時間がある人だけが満足に遊べる状況では、裾野を広げていくことはできないと考えるべきだ。射幸性の管理は業界自らが戦略的な思考を持って行うべきで、確率のみではなく、ゲーム性の広がりと合わせた取得出玉や、技術性を照らした検討をする場が業界内に必要ではないか。