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令和5年7月度部会を開催しました
開催日:令和5年7月25日
会 場:TIME SHARING 本郷三丁目 杏林ビルおよびオンライン
7月25日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/佐藤正夫代表理事・会長)は、令和5年7月度の理事会・部会を開催した。
今回は人材の採用問題をテーマに株式会社パック・エックスから営業本部部長の中村祐希氏を講師に招き「若年層の採用トレンドについて」と題した講演を聴いた。また会員プレゼンテーションとしてジーピーエム株式会社から「遊技業界における防災への取組み」としてホールの災害時対応の重要性と災害備蓄品の紹介、株式会社遊技通信社からは低周波域高調波ノイズフィルター「ENEPLATE」の紹介があった。
会員プレゼンテーション ジーピーエム株式会社
遊技業界における防災への取組みのご案内
~災害などに強い経営基盤を確立して、地域社会と共生する企業に~
ジーピーエム株式会社から「遊技業界における防災への取り組み」についての提案と関連する災害備蓄品に関する紹介が行われた。同社ではSDGs(持続可能な開発目標への取り組み)が掲げる17の目標のひとつ「住み続けられる街づくり」への貢献も事業理念に掲げ、具体的には姫路市SDGs宣言書にてSDGs目標の8テーマに対し宣言するとともに「姫路市地域防災貢献事業所」へ登録、福岡市と防災協定を締結するなど、災害時に従業員と地域住民への避難場所の提供と収容者への備蓄品の提供、再生可能エネルギーによる電源の提供する取り組みを行っている。また災害備蓄品については事業としても取扱いを開始している。同社は「住み続けられる街づくり」へのアプローチとして、近年の地震や豪雨といった自然災害に対し国は災害対応に民間の活力を求めたり、企業へ継続力強化計画(BCP)の策定を推奨する国土強靭化計画が進展し、民間による防災ネットワークが構築されてきていることを捉え、地域や取引先企業へ防災の重要性を周知する活動にも力を入れている。
今回プレゼンテーションにあたった同社顧問の大野英明氏は、ホール向けに防災への取り組みを提案する理由について、①一時避難所としての適正が高いこと、②災害に強い経営基盤を確立することがもたらす意義(雇用を守ることは地域の経済を守ること)、③地域と共生する企業としての在り方(自社の経営を守ることは地域経済ひいては地域の生活を守ること)、④業界のイメージアップ向上と従業員のモチベーションアップ)を上げ、すでに実践へ乗り出している佐賀県遊協での取り組み事例と同社取扱い災害備蓄品に関して紹介が行われた。
大野氏は「変化していく環境問題に対し、本日の提案が皆様の防災に関する取り組みを踏み出すきっかけとなれば幸いです」とまとめた。
会員プレゼンテーション 株式会社遊技通信社
低周波域高調波ノイズフィルター「ENEPLATE」
遊技通信社から同社取引先の株式会社ポッシブルの取扱製品「ENEPLATE」の紹介があった。製品説明はポッシブル代表の道地広一郎氏。本製品は使用電力量の削減や電気機器の安定化に資する製品で工事不要で取付できる点を特徴としている。
講演 若年層の採用トレンドについて
講師 株式会社パック・エックス 営業本部 部長 中村祐希 氏
総合人材サービスの株式会社パック・エックス営業本部部長の中村祐希氏から「若年層の採用トレンドについて」と題した講演を聴いた。今回の講演では演題のとおり若年層の採用状況にスポットをあて①新卒者の採用市場、②アルバイトの採用市場、そして③年収から見る組織の課題の3パートにわけ、各パートの採用課題等を指摘しつつ、改善策を促す構成で進められた。
まず①の新卒者採用に関してはコロナショックが減衰し、社会全体の採用意欲が増したことから今般の求人倍率は上昇していることに加え、遊技業界がシュリングしている中でホール企業における新卒採用の在り方の見直しも進んでいると話があった。データとして新卒採用に取り組む企業数および企業規模、採用予算と実績を示しながら「新卒採用に取り組む企業数が大きく減っているということはないが採用人数は減っている。内定から入社に至る割合が低く、採用人数は計画割れしている企業がほとんどである」と説明があった。
またコストパフォーマンスが低下していると話があり、企業側が積極的に情報発信して仕掛ける従来のイベント型へ新卒者の反応が鈍くなっており「Z世代は発信される情報よりも口コミサイトなど第三者の意見を参考にする傾向がある」(中村氏)ことも要因のひとつに挙げられると聞かれた。新卒者を巡る種々の採用環境の変化に対し、今般、ホール企業は新卒者の採用計画を進めつつも中途採用を含めた「若年層の採用」へとシフトしていると状況が伝えられた。
次に②のアルバイト採用に関しては正社員採用の難しさから「従業員比率に占めるアルバイトの割合が上がってきている」と話があった。他方、ホール企業が考える店舗あたりの適正人員数に対し採用人員数を多めに設定する企業が増えており、アルバイトから正社員登用を考える向きがあるという。ただし適正人員数の考え方についてはその算出方法が明確でないこともあり、先進的な取り組みをする企業では時間あたりの適正人員数を算出し、短時間勤務のアルバイトを多く採用している企業もあると紹介した。
アルバイトの採用に関しては求人出稿や採用業務専任者の配置、時給アップなどコストをかけたパワープレイで採用確保をすることも可能だが、重要なポイントとして「アルバイト労働者は就労以外に生活のメインが存在しているためアルバイトを選択している。このため企業が提示した勤務体系に合わない者は求職をせず、企業側も提示条件に合わない者と面接をしようとしないことが課題にある」(中村氏)と話し、多様な時間帯や勤務時間で採用できる体制が求められるとし「少なくても早番・遅番といった二交替制を見直してはどうか」等のアドバイスを伝えた。
③の年収から見る組織の課題では同社が独自に収集したホール企業の役職・年齢別の年収データを示しながら、全体の平均年収ベースは上がっているが社会全体の業種の中では順位を下げていることや、年齢別では30代後半から40歳未満が低下しており、平均年齢の若返りを進めている企業が増えていると指摘。その上で若年層が組織(就労)に求める職業感は近年のSDGsに代表される社会性が重要視されていると紹介。具体的には自分に与えられた仕事の意義や達成することによる社会的な効用を示すことがモチベーション向上につながると話し「就労側が何を求めて仕事探しをしているのかを捉えた採用戦略、組織戦略を組んで行くことがこれからの時代ではないか」(中村氏)と述べ講演をまとめた。