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平成30年7月度部会を開催しました
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- 2018.07.13
開催日:平成30年7月10日(火)
会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)
来場者:91名
一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第173回理事会ならびに7月度部会を開催した。
今回の部会では株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所の永井優志氏を招き、同社の調査報告書「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2018」の分析結果から見える、最新のプレイヤー動向について講演を聞いた。また会員企業からのプレゼンテーションとして、株式会社SANKYOから、業界初6段階設定機能付きパチンコ機「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴW」のリリースにともない「設定付きパチンコ機」の全般に係る新規則機ゆえの仕様面やゲーム性の特徴などについて同社担当者から話を聞いた。新規則機時代の幕開けを肌で感じるととともに、ホール関係者にとっては直接遊技機メーカーの担当者から直接話を聞くことができる貴重な場となった。
会員プレゼンテーション
株式会社SANKYO「設定付きパチンコ機について」
遊技機メーカーの株式会社SANKYOから同社の新規則機に対する取り組みとして、主に「設定付きパチンコ機」についてプレゼンテーションが行われた。担当は同社商品戦略室課長の古川達彦氏。パチンコ遊技機への設定機能の搭載は本年2月1日に施行された改正遊技機規則(以下、新規則機)によって可能となったもので、先般同社が発表したパチンコ新製品「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴW」に搭載されている。
従前のパチンコ機には通常の大当たり確率と、確変と呼ばれる大当たり確率が高い状態の2つまでしか搭載できなかったが、新規則機では最大6つの設定(いわゆる6段階設定)を有することが可能になった(1つの設定につき通常大当たり確率1つ、確変確率1つ)。ホールはどの設定を使い、如何にプレイヤーを楽しませるべく提供していくのかが、営業施策上、ひとつの課題になっており、今回の同社のプレゼンテーションに、多くの参加者は強い関心を寄せるところとなった。
古川氏からは、はじめに新規則機と旧規則機の出玉性能の違いについて項目抽出した上で解説が行われ、特に出玉率の厳格化を中心に話があった。その上で「新規則に関する捉え方」をメーカー・ホール・プレイヤーの三者それぞれの視点から「ベース」、「速度」、「出玉」、「設定」の4項目から考察した際、プレイヤーとしては旧規則機よりも遊びやすさが増し、設定付きパチンコ機については選ぶ楽しさも加わるといったプラス要素が生まれるであろう点を紹介した。また設定毎に大当たり確率が異なるため、出玉率も設定毎に変化してくる様を、シミュレーション値を使いわかりやすく伝えたほか、旧規則機から新規則機への移行スケジュールにおいて留意した方が良いであろうポイントであったり、同社が独自に調査したプレイヤーの意識調査から、設定付きパチンコ機が導入されることで、どのような層のプレイヤーの関心が高まっていくと推察できるのか、またその推察にあわせるとメーカーが取り組むべき課題、ホールが取り組むべき課題があるのではないかと提案があった。課題の解決に向けては「プレイヤー目線でメーカー、ホールの協力が必要不可欠だ」として、プレイヤーがホールへ行きたくなる状況を創出するためには、業界が一致した認識を持って取り組んでいくことが重要であるとの考えを示した。
講演 パチンコ・パチスロプレイヤー調査2018
講師:株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所 永井優志氏
遊技業界専門のシンクタンクであるエンタテインメントビジネス総合研究所(略称:エンビズ総研)では毎年パチンコ・パチスロプレイヤーの遊び方から志向性などの意識にも迫るマーケティング事業として「パチンコ・パチスロプレイヤー調査」を実施している。先般、この最新の調査報告書「パチンコ・パチスロプレイヤー調査218」が発刊された。本調査は今年2月中旬に実施。webアンケートを経て、今回は33,419サンプルをスクリーニング調査にかけ、抽出されたパチンコ・パチスロプレイヤー1,500サンプルを基に分析している(「性・年代別」構成比に準拠した形でウエイトバック集計を行っている)。
同社マーケティングプロデューサーの永井氏からは調査結果の一端と合わせ、結果を分析することで見えてくる遊技業界関係者が一考する価値ある話が聞かれた。
前半の調査結果報告では遊技参加人口の減少傾向が続いているおり、かつ継続意向であるプレイヤーが多いとは言えない状況であることや、平均投入金額においては、平日と土日祝日をパチンコプレイヤー、パチスロプレイヤー別に見ると、パチンコプレイヤーの平日の平均投入金額は減少、それ以外は上昇したと報告があった。同様に遊技時間の項目では平日はパチンコ・パチスロプレイヤー双方とも3時間以上遊技する層が増えた一方、土日祝日ではパチンコプレイヤーは前年より2時間までの層が増加。パチスロプレイヤーは前年と変わらずであったと伝えた。このことからパチンコ・パチスロ別、平日と土日祝日のプレイヤー層では求めている志向性の違いが見受けられる、と話があった。
志向性の違いについては「最近一年間のパチンコ(パチスロ)参加頻度:増減理由」という設問において、参加頻度が増えたと回答があった項目、参加頻度が減ったと回答があった項目をボリュームの多寡で項目をグループ化すると、参加頻度が増えたと回答した項目には「演出が楽しい」、「出玉スピードが速い」、「楽曲やサウンドが好き」など、どちらかと言えばメーカーの開発努力に紐づく項目が多かった事に対し、参加頻度が減ったとする項目では「勝率が下がった」、「長く遊べる台が減った」などホールの営業施策でもカバーできるのはないかといった項目が並ぶとして、環境の改善により継続意向を高めていく努力ができそうだと語った。
また「好んで遊ぶ機種タイプ」の設問では、パチンコにおいて週に2回以上遊ぶヘビープレイヤーはミドルタイプを好み、遊技目的では収入源と考える向きが伺われたと報告。ただし回答数全体に占める割合として、そうした遊技動向のプレイヤーは少なく、「勝つこと」よりも「勝ちへの期待が持てる」ことが最も求められており、機種選定に際しどの層に訴求していくことが望ましいのか、これまでの機種選びを振り返り、少数の意見ばかりに応えていなかったか否か、考えてみて欲しいとアドバイスを送った。
後半はプレイヤーの認識調査の結果を中心に報告があった。営業施策と深くからむ賞品交換個数(枚数)と遊技性のバランスを尋ねた回答結果を示し、極端であるよりほどほどと呼べるレベルで遊びたい意向を持つプレイヤーが比較的多いことを紹介。営業指標を考える上で参考にして欲しいと呼びかけたほか、直近の話題である「受動喫煙」の問題についてもプレイヤーの認識調査の結果を示し、喫煙者の回答は確かに多いが、喫煙環境が変化することで、遊技頻度や滞在時間が減少するだろうと考えている喫煙者の数よりも、遊技頻度・滞在時間は「変わらない」もしくは「増える」と7割が回答している非喫煙者の数に、今後は注目するべきではないかと示唆した。
講演の終わりに永井氏は「営業の目的が来店客数を伸ばすことと、自店がプレイヤーに求められることは同じであり、そのための発想や方法は店舗毎にある」とまとめた。