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特別企画/若手理事に聞く将来展望

横断的組織の特徴を活かしながら 団体や業種の枠を超えて若者同士の勉強会を

 

佐々木彰太郎理事

 余暇進に参加させていただいて6年になりますが、他団体との違いというか、余暇進としての強みを感じる点は、我々ホールだけではなく、メーカーや販売商社、設備関係の方々との多角的な意見交換ができるということでした。我々ホールだけだと、どうしても狭義的な発想になるところが、いろいろな刺激を受けることができ、勉強になります。

 

大原伸昌理事

 それと、余暇進は会長、副会長はじめ理事の方々が業界の問題に対して正面から突き進んでいこうという思いが強く感じられますね。決めごとのスピードも早く、業界のために何かを変えていこうという意志が強い。

 

金海基泰理事

 私も余暇進は役員の方々が業界を未来に残そうとするための努力を強く感じます。ただ単に今をどうするかだけでなく、先々をどうしたいがために今、何をすべきかを考え、メッセージを出しているのが余暇進だと思う。私は発足時からそういう様子を見ていますが、私たちより上の世代の方々には、業界の負の部分、グレーの部分は全て自分たちの世代で終わらせたいという思いが窺えます。私たちの世代も、一緒に未来を見ることができる団体だと思う。

 

朴東元理事

 私は業界歴が浅いので他団体の活動との比較ができないのですが、抽象的な勉強会と違って話が具体的なので、確かに参加して勉強になることがたくさんあります。ただその一方で、話が具体的になればなるほど、他団体の若手の方々とディスカッションをしたいという思いが強まっています。私は他団体を含めた横断的な委員会にも出席しているのですが、そうした方々と屈託のない話はまだできていません。先人あっての業界ですが、今後、業界はいろんなところで抜本的に変えていかないとどうにもならないのではないか、ということが私のような業界歴の浅い者でも肌で感じている状況になっています。若い人たちといろいろ話し合って、そこでは的外れの意見もあるかもしれませんが、その中から発展できるものも出てくると思う。いずれにしても、余暇進だけでものごとを決められない面もありますので、これから経営を担う若手で今までのしがらみのないところで腹を割った意見交換ができればと思います。

 

大原

 そうですね。私たちの世代はまだ業界団体での話し合いに大勢が参加しているわけではありません。今後の業界はどうなるか分からないという不安があるせいか、どうも醒めた目でみている方も少なくない。極端にいえば、業界がなくなってもいいという準備をしている人もいる。一方に熱い想いを持っている方もいて両極端な感じがします。

 

佐々木

 業に対して諦め感を抱いている方はたしかに少なくないですね。今までの営業の努力が各種の規制でできなくなってきて、しかも一法人の努力では難しい局面にもあるからかもしれません。

 

 立場や規模によって考え方が違うかもしれませんが、若い方同士でもどうもモチベーションに開きがあるように映ります。それぞれの立場があるので仕方ないかなと思うのですが。

 

遊技機を取り巻く環境には課題が山積 新しい楽しさを作り上げて遊技人口の回復を

 

金海

 業に対するモチベーションの違いは若い方に限らないですよ。今をどう凌ぐかだけで頭がいっぱいの人がいる一方で、先々をどうしようと考える人と、今をなんとかするために、なにかと行き過ぎる人もいて、結果、業全体の責任に転嫁されるケースもある。自らの利を求めて業益を損なうというか、かつてはそうした感覚が業界全体に蔓延していたこともあったかと思いますが、業界を取り巻く環境が変わってもそうした感覚を直せない人がいる印象が残っています。

 

佐々木

 そうした考え方のギャップといえば、年代が少し上の方と話をしても、ファン人口が急速に減少していることや各種のレギュレーションが変わってきている中で、業界は大丈夫かなといった不安を抱くこともあるのですが、中には「また2、3年したら良くなりますよ」と話す人もいる。業界の歴史を知っている方だからそう考えるかもしれませんが、私はそれはちょっと違うんじゃないかな、と思うことがあります。以前とは明らかに全体の空気感が変わっている。

 

金海

 確かに、業界を取り巻く空気感は変わってきていますね。そうした以前との違いで最も大きな要素は、やはり遊技人口の減少でしょう。特に若年層が遊んでくれないという問題がありますが、このゲーム世代の取り込みにはいろんな課題があります。今や、そうそう簡単な状況ではないと思う。

 

 そうですよね。ほかのエンタテインメント産業がどんどん革新的なものを出そうと進歩してきた中で、業界はしばらく足踏みをしていた時期があり、それでも利益を得ているのだから、それはそれで社会に受け入れられているんだ、という感覚があったのかもしれません。一方、メーカーの方は遊技機も進化しないと業界も終わってしまうという危機感からいろんな機能を付け足していますが、メーカーの進化の仕方に大きな多様性が感じられません。ヘビープレイヤーだった私は「ポイントはそこなんですかね」という疑問も抱きます。しかも、そうした新しい機能が付加された遊技機には、一時は客がついても、それはやはり一時のことであって、それに馴れると次々とその先を求め、結果的に遊技機価格も上がっていく。このままでは、共倒れにならないかという心配もあります。

 

金海

 そういう状況が起因しているんでしょうね。よく、ホールの方には原点に戻れという人が多いのですが、その原点がいつなのかは人によって違います。また、ただ原点に戻れというと、それは時代を単に戻るだけの後退にならないかも心配です。我々は新しい楽しさを作り上げて、それを提供していかないといけないのではと思うのですが。

 

大原

 そうですね。それと、遊技機問題ではどうしてもその射幸性の問題というか、例えば一般的なサラリーマンの方々のお小遣いが制限されている中で、我々が求めている遊技機とお客様が求めているものと隔たりがどういうもので、それをどう埋めていくのか、課題は多いですね。どちらにしても、これまではスペックだけを落として様子を見るという繰り返しで、結果、本質的なところは何も変わらず、業界が良くなることもないという繰り返しでした。余暇進はメーカーの方々も大勢参加している組織ですので、それを活かした活動をしないといけませんね。

 

佐々木

 普通にホール同士で会話していると、どうしてもメーカーのあり方へ批判が傾いていきます。どうしても建設的な感じはしません。金海なぜホールの人たちはメーカーを敵だと考えるんでしょうね。同じ業界の仲間なのに。 朴そうですね。メーカーに限らず、各業種の若い方々に入っていただき、そこで議論を活発化させたいですよね。余暇進はそれができる組織だと思います。

 

必要な共通認識とデータベース 過去を学びつつ将来展望を築いていきたい

 

大原

 現在、遊技機のあり方の模索を余暇進としてもしていますが、この中でのめり込みの問題も出てきていますので、射幸性の要素も考えながら進めていかなければならないという状況です。というよりも、のめり込みに限らず、検討を進めている最中で新たな課題が出てくるので、総合的に検討せざるを得ずもどかしいところもあります。

 

 その、のめり込み問題が象徴していると思いますが、今の業界は何かを言われたら負けといった状態になっていませんか。負のイメージをマスコミに出されて、それはそうだと認めざるをえないところと、いや、それは違うんじゃないかというところがあり、でも業界のデータベースがしっかりしていないので反論が満足にできない。各団体が共通のデータベースを活用して対応できる体制を築くよう提案しています。

 

大原

 社会貢献活動でもさまざまな取り組みが展開されても、その広報もできていませんね。それと、我々はこの業界に就いた従業員も守らないといけない立場にあるという観点も必要だと思います。ホールの現場でトラブルが起こると、その誹謗中傷が個人名を使ってインターネットで出たりもします。

 

佐々木

 インターネット上などでは、例えばホールが不正しているといった話も一向になくなる気配がありませんが、射幸性が伴った営業である以上、これはある程度はついてまわるテーマなのかと思います。ただ、その都度、きちんと反論する必要はありますよね。いずれにしても、私たちはやはりパチンコを楽しんでいる人がこんなにも多い、という状況をまずは作らなければいけません。パチンコファンをもっと増やすことで、こうした問題では違った展望も見えてくると思います。お客様の絶対数が少ない中では、マイナスの意見に対して反論してもなかなか耳を傾けてもらえないという側面もあるのではないでしょうか。

 

 そうですね。業界に課題は数多くありますが、私としてはまずは、先輩の方々がいろんな課題に対してどう対応してきたのかを知りたいです。業界の流れ、各団体の成り立ちも含めて、そうしたことを学ぶ勉強会を立ち上げたい。それぞれの団体がどういう思いがあって立ち上げられたのかを学ぶことで、新しいものが生まれてくるかもしれません。共通認識がないなかで、それぞれが自分の立場で話していても話はまとまりません。

 

金海

 まずは執行部と若手メンバーで経営マインドなどを話し合える場を提案しましょうか。聞いてみたいこともあるし、その中から私たちも私たちなりの何らかの提案もできそうに思うのですが、どうでしょう。

 

佐々木

 過去が分かってないので未来を語れないという要素は確かにあります。私たちは今現在の事柄への対応に追われがちですが、過去を学ぶことでしっかりとした将来展望を築きたいですね。