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平成30年度定時社員総会
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- 2018.05.18
開催日:平成30年5月15日(火)
会 場:ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)
参加者:205名 (懇親会含む)
平成30年5月15日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京・港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて、平成30年度定時社員総会を開催した。
総会は社員総数94社中、委任状出席含め92社(112口/115口)が出席。審議事項として、平成29年度事業報告や決算報告ならびに監査報告、理事任期満了にともなう選任の件、平成30年度事業計画・平成30年度収支予算案を諮り、いずれも原案通り可決承認した。このうち事業計画においては、あらためて当協議会の「業界の環境を整備し業法の制定を図る」との会是に基づき「遊技業界の将来展望を拓くために積極的な政策提言活動を行う」を重点目標とする各種行動内容を決定した。
総会議事終了後は、同会場にて光和総合法律事務所の渡邊洋一郎弁護士(当協議会理事)、日工組の筒井公久理事長から、それぞれの講演を拝聴した。
平成30年度(第17回)定時社員総会
午後3時より開始した定時社員総会では冒頭、来賓として、警察庁生活安全局保安課の津村優介課長補佐から挨拶(代読:北久保孝行係長)をいただいた。また、議事に先立ち、当協議会代表理事の笠井会長が挨拶を述べた。
昨年度中の活動を振り返り「日頃の研鑽、精進が昨夏の規則改正に対する余暇進の提言に反映され、各方面からご理解、ご賛同を得たことは大いに多としてよろしいかと思います。また書籍『風営適正化法Q&A』の新訂版が公刊され、実務者のバイブルとして重宝されておりますが、皆さんから日々の業務を通じてお寄せいただいた質疑やご意見も貴重なデータとなっていることは申すまでもありません」と謝意を表した。また、業界を取り巻く諸問題のひとつである依存問題についてふれ「依存問題は今年も尾を引いていくことは間違いないと予想されます。この問題については引き続き業界として誠実かつ真摯に向き合い、国民、社会の幅広いご理解をいただくためにさらに努力していかなければなりません。国民娯楽を謳う以上、ファンはもとより、世論の動向に常に敏感であることがいつの時代にあっても求められ、また、そのことが業界発展の基いでもあります」と着実な取り組みが行われる事に期待を寄せた。
第一号議案 平成29年度事業報告および決算報告承認の件
議事は当協議会の坂下大貴理事が議長を務め進行した。平成29年度事業報告では、当期間中に開催した部会・セミナーならびに常設委員会の活動内容等を報告した。この中で、平成29年7月11日に警察庁が公表した風営適正化法施行規則及び遊技機規則の一部改正案については、同日開催の理事会にてパブリックコメントを提出することを決議し、特別部会・委員会を開き、これら会議の検討を経て文書化を行い、警察庁へ提出した経緯も報告した。
第二号議案 平成30年度事業計画および収支予算承認の件
平成30年度事業計画では、当協議会の会是「業界の環境を整備し業法の制定を図る」に基づき「遊技業界の将来展望を拓くために積極的な政策提言活動を行う」とし各種行動内容を決定した。具体的には「現行法運営上の諸問題を解決するために、業法制定に向けて研究・活動」をはじめ「プレイヤー人口増加に向けた遊技環境の在り方の研究」、「地域社会と共生する遊技場の在り方の研究」などを推進する。
第一号議案、第二号議案ともに審議の結果、承認可決された。
特別記念講演「パチンコ業界の現状を打開するために」
講師:光和総合法律事務所 弁護士 渡邊洋一郎 様
渡邊弁護士から「パチンコ業界の現状を打開するために」との演題で講演が行われた。当協議会で理事を務め、余暇進パチンコ業法(試案)(以下:業法)の作成に大きく尽力いただいている渡邊弁護士からは、なぜ余暇進が業法の制定を目指しているのか、遊技業界を取り巻く環境の変化に鑑み、山積する改善すべき諸課題の解決には、現行の風営適正化法による規制の枠組みから、業法による規制へと枠組みの転換が望ましいと考える理由について話があった。
現在、遊技業界が抱える課題には、賞品流通、等価交換(一物一価)、遊技機の規制、各種手続き事務の煩雑さなど多岐にわたるところであるが、風営適正化法により厳しい規制を受ける理由には、射幸性を有する行為は、社会の善良な風俗を害することがあることがひとつ。また、賭博行為は刑法第185条により禁止されているため、同条の例外として、「一時の娯楽に供する賭けごと」は認められているため、パチンコ営業が許されているのは、この「一時の娯楽に供する賭けごと」として扱われているため、様々な規制の中が設けられていると解説した。裏返すと「消費の即時性」(その場で消費できてしまうもので例えば飲食)、「価格の僅少性」(賞品の上限額は税別9,600円であること)、「遊技性・娯楽性」(いわゆる技術介入性が必要であり、目押しの補助行為は禁止)の3点のいずれかが欠けると賭博罪に該当する。このようにパチンコ営業は賭博行為の面があり、競輪等法律により認められた賭け事は賭博罪に該当しない営業になっている。
しかし前述の営業上の諸課題が改善されぬまま国会ではIRの整備に向けた議論が進んでおり、パチンコが常に対比に挙げられ、取り組みを求められている。一方で遊技くぎの調整行為が厳格に禁じられている現況は、利益の確保と顧客満足のバランスによる営業の成立が難しくなっており、業界の閉塞感は増す状況である。そこで多様性のある遊技機の登場と、くぎ調整による営業モデルを肯定するためにも業法の制定は必要である、との考えを示した。
業法の制定に必要な政治的環境については、現在IR実施法案の成立を目指す動きがある今がその機を得ているものであり、立法化を望むのならば、業界から意見や要望を挙げていくと良いのではないかと考えている、と話した。
特別記念講演「遊技機の現況及び展望について」
講師:日本遊技機工業組合 理事長 筒井公久 様
日工組の筒井理事長から「遊技機の現況及び展望について」の演題で講演が行われた。まず筒井理事長は風営適正化法施行規則が改正され、去る2月1日に施行される前までの数年間には、日工組として型式と異なる可能性がある遊技機への対応や新流通制度の制度構築から実施など、日工組として取り組んで来た諸々の取り組みを行ってきたこと、時間を空けず、政府のギャンブル依存症対策推進関係閣僚会議における論点整理で、遊技業界に対しては射幸性の抑制等が示されたこと、などの経過を振り返った。
その上で、「遊技機規則の改正が行われたことは、従前より業界の課題として認識していた部分でもあり、それらが矢継ぎ早に解決を迫られることになったと感じている」と感想を述べた。
また改正された遊技機規則の内容については出玉や出玉率・試験方法など射幸性に関する部分が従前の三分の二程度に抑えられた一方、ぱちんこ遊技機にも設定機能を搭載できるようになった点を現在は重要視していると話した。
筒井理事長は「この設定機能というものがホール営業にとってどのように奏功するのか、プレイヤーにとってどういうかたちで訴求ができるのかが大きなポイントになってくるのだろうと考えている。メーカー各社、社内で知恵を出し合って積極的な対応案件として遊技機の申請を進めているところだ。その中で遊技機のバリエーションだとか多様性といったゲーム性としての付加価値を如何に創造することができるのか、鋭意取り組んでいる。新規則に基づく型式申請は順調に進んでいる。市場登場まで間もないものと予想している」と語った。
他方、いわゆる管理遊技機構想については、前述の依存対策に資するもの論点整理に挙げられているものであり、日工組として現在進行形で取り組んでいると紹介。機能面やコスト面など細部の検討が進んでいると報告した。
まとめに際し「業界は総力を結集して諸課題に向かっていかなければならない。私個人として強い信念を持って願っている。どうか業界がひとつとなって、総力を持ってこの難局に立ち向かうべく、私ども製造業者の団体にご指導・ご鞭撻、またはご要望を挙げていただきたい」と述べ、講演を締めた。
なお本総会開催前に同所にて行われた第171回理事会において執行部人事案を図り、新たに3名の常務理事が就任した。新常務理事は次のとおり。金海基泰 常務理事(株式会社ユーコーホールディングス)、金村浩二 常務理事(株式会社ゾーン)、福山浩範 常務理事(株式会社フェイスグループ)。