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令和7年3月度部会を開催しました

開催日:令和7年3月11日
会 場:株式会社オーイズミ東京本部ならびにオンライン

 

 3月11日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/佐藤正夫代表理事・会長)は、令和7年3月度の理事会・部会を開催した。
 約90名が参加した今回の部会は、業界の発展性、可能性をテーマに合同会社DMM.com執行役員の岡崎翼氏を講師に招き、講演を聴講した。また会員プレゼンテーションとして有限会社新明企画から多機能を搭載した遊技椅子「スマイス」の紹介が行われた。

 

講演 DMMが考えるパチンコの将来性
講師 合同会社DMM.com 執行役員 岡崎翼 氏

 

講師の岡崎翼氏

 

 岡崎氏はDMM..comに入社1年目に、パチスロ好きが高じ「DMMぱちタウン」の企画立案をおこない、運営責任者として事業を拡大してきた。現在は同事業ほか、遊技産業関連では全日本学生遊技連盟(学遊連)の運営やポーカー、ドローン、ウェルネス、公営、地方創生、農業、花火等の事業を広く担当している。講演では、これまで岡崎氏が同社で11個のプロダクトを創出してきた経験から「課題解決」をテーマに話が行われた。
 ビジネスは課題(ニーズ)に対して解決策を講じ、課題解決の結果で対価を得ることだとし、ぱちタウンを起案し学遊連の立ち上げに至る経緯や理由、取り組みの意図などの詳細を述べた。これら行動の起点には適格な情報の収集と分析をおこない、取捨の上に行っていると解説した。岡崎氏は「以上はどこの会社でも行われていることで特別なものはなく、PDCAを回し適切なタイミングで手段を講じることに徹しているに過ぎないが、重要視しているのは検証であり、その結果の判断だと考えている」と話した。また、課題は解決のための難易度と得られる効果を想定し、どの課題からアプローチするか仕分けをおこなう必要があると語った。
 一方、業界の課題解決を考えた場合は組織における事業化のプロセスとは異なり、例えばパチンコ・パチスロへの参加人口を増やすという業界の共通課題に対し時間と労力に対し得られる効果が測定できないとも述べた。要因として、景気動向であったり少子化は業界としての問題だけではなかったり、規制業種であるホール営業の枠組みを変更しようというのは政治力が求められるからだ。これら問題は、誰が責任者となり判断をするのか明確ではない。だからこそ「誰かがやるだろうではなく、主体性をもって取り組み、参加していくことが業界の課題解決のためには必要なことだ」と語り、ぱちタウン事業などの業界関連事業を通じて得られた情報や調査結果から、出来得るものとしてライフタイムバリューを測る取り組みが考えられるとの構想が披瀝された。
 同社が手掛ける学遊連はパチンコ・パチスロファンの多くが遊技へ参加し始めた年齢が20代前半であることに鑑み、若年層の新規参加を促していくことを目的に、主に18歳から24歳を対象にパチンコ・パチスロの楽しさや遊技業界の様々な情報を伝え、学生たちが自ら情報を発信して業界を盛り上げて行こうというものである。また学生たちと業界企業をつなげるリクルートイベントも行い、目に見える成果があらわれるようになっている。この学遊連での経験から、業界全体の課題解決への取り組みとしてデータドリブン(データを基づいた意思決定プロセス)が必要であると提案があった。マーケティングにも通じる手法だが、タイプ別ペルソナ(想定顧客)に対して、業界が適切かつ有効な策を講じることで、新規参加と年代別遊技者が求める価値を提供し続けるサイクルを回す仕組みを作る。そのためには様々な情報や視点が必要であることから、参加者らに過去の経験や事例など情報提供への協力が求められた。
 岡崎氏は「考えられるロジックと持っているデータから、業界全体としての1ユーザーの価値(=LTV)を設定し、共通認識かした上で指標として持つことが肝要だ」、「普通のことをきちんとやり続けることで未来を切り開けると信じて活動していきたい」と語った。