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令和6年4月度部会を開催しました

開催日:令和6年4月9日
会場:貸し会議室「ちよだプラットフォームスクウェア5F」およびオンライン

 

 4月9日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/佐藤正夫代表理事・会長)は、令和6年4月度の理事会・部会を開催した。今回はホール企業のデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation=略称:DX)について株式会社PORBUILの武田健一 代表取締役を招き「ホール企業のデジタル化の取り組みと実践ストーリー︕」の演題にて講演を聴いた。また第二部として本年2月29日に改訂した「広告宣伝ガイドライン第2版」の説明会を開催した。

 

講演:「ホール企業のデジタル化の取り組みと実践ストーリー︕」
   〜誤解しているDX(デジタルトランスフォーメーション)〜
講師:株式会社PORBUIL 代表取締役 武⽥健⼀ 氏

講師:武田健一氏

 講師の武田氏はこれまで勤めてきた大手コンビニ本部やコンサルティング会社、ホール企業での経験を活かし現在はITコーディネーター、調達コンサルタントとして活躍している。講演では企業に求められるDXへの取り組みについて、デジタル化がもたらす時代の変革から身近なDXの事例を紹介した上で、企業がDXに取り組む際に重要となるプロセスと準備等の解説があった。
 まずデータとデジタルの時代を迎え第四次産業革命と称される変革期が訪れていることを政府が進める「Society5.0」(データをAIが分析し高付加価値な情報を提供したり、インターネットに接続された機器を最適に動かすよう指示を出すことで結果、人口動態やライフスタイルが従前から変革していくこと)を解説しつつ、デジタル庁の創設や行政関連手続きの電子化、行政データのオープンデータ化等を紹介。一方、企業では家電のIoT(Internet of Things)化でも見られるように、モノとインターネットを結びモノの状況から利用状況までをアプリケーションを通じてデータを取得し、より良い製品開発やサービスの提供のために活用されてきており、情報をデジタル化することによる蓄積と分析は現時点では主にChatGTPの利用も含め業務の効率化や最適化に利活用する企業が多いという話が聞かれた。
 他方、ハイブリッド生成AIと呼ばれる社内生成AIを置き、売上予測から社内規定に係る各種業務をSNS承認プログラムによってレスポンスを得る仕組みを導入する企業も増えていると話があった。さらにデータの収集と分析による利活用によって新規事業を立ち上げ既存業界にとって脅威となる企業も台頭して来ている。ライドシェア大手のUberによるタクシー業界への影響、ECサイト大手のaribabaによるホテル事業の参入、同じくECサイト大手のAmazonが販路に影響を与えた音楽・家電業界などを例に挙げた。
 自社の優位性やさらなる市場拡大のためにはAIによるデータ分析は競争力を高める上でも必須の取り組みとなっており、武田氏は「「0から1を人が考え、1から∞をAIが創る状況になっている」と話した。
 ホール企業においても営業店舗の状況を集計し各部署で必要な情報毎にまとめる作業はRPA(Robotic Process Automation)による自動化が進んでいることを紹介。これは企業のバックヤード業務として守りのIT活用だが、さらに進んでいる企業は遊技客の来店前・退店後の動態をデータで補足したり、フロアスタッフの業務履歴、果ては遊技客とのコミュニケーションの内容や駐車場の利用状況までデータ化する動きも一部企業では行われているということだった。
 企業がDXを推進するにあたり「経営者がパーパスや経営ビジョンを明確にし外部へ発信すること」、「身近な成功体験を直ちに得るべく素早く何度も挑戦すること」、「失敗を許容しチャレンジを続けること」、「担当部署に任せず組織や経営者が自分事として取り組むこと」をDX成功のポイントだと話があった。その上でDX推進の目標として経済産業省によるDX認定制度による認定の取得を目指しガバナンス体制の構築を進める手段と認定取得による効果が紹介した。
 武田氏は「DX化には一定の手順がある。そして大切なのはDX人材の育成にある。従来の社会人の常識を積み上げてもDXを回せる人材は育たない。それとは異なる知識やスキルを学んだ人材が必要である。IPAデジタルスキル標準というものがある。参考にして欲しい。DXはシンプルに言えば、デジタルを利活用した事業変革である。必要なのは共感できるビジョンとそれを実現する優れたアイデアと技術。そして意思決定が早く、アイデアをすぐに形にできる企業が有利だ」と述べ講演をまとめた。