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令和元年10月度部会を開催しました

七訂版Q&Aバナー

会 場:在日本韓国YMCA アジア青少年センター(東京都千代田区)

来場者:88名

 

 10月8日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/笠井聰夫代表理事・会長)は、東京都千代田区の在日本韓国YMCA アジア青少年センターにおいて、第186回理事会ならびに10月度部会を開催した。
 今回の部会では受動喫煙対策と事業承継をテーマに、日本たばこ産業株式会社(JT)からCRM推進担当の永沼舞華氏、事業承継センター株式会社から金子一徳代表取締役を講師に招聘し、それぞれの講演を傾聴した。JTの永沼氏からは来年4月から施行される改正健康増進法による店内禁煙に適切な対応図るべく、改正法の内容や準備における注意点や先行している実施例の紹介があった。一方、事業承継センターの金子代表からは企業が永続する上で避けて通ることができない事業承継の問題について、関連法である経営承継円滑化法に関する解説を様々な事例を交えた話を聞いた。

 

第一部講演 改正健康増進法と受動喫煙対策について
講師:日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部AP推進部CRM推進担当 永沼舞華氏

第一部講師:日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部AP推進部CRM推進担当 永沼舞華氏(画像左)、第二部講師:事業承継センター株式会社 代表取締役 金子一徳氏

第一部講師:日本たばこ産業株式会社 たばこ事業本部AP推進部CRM推進担当 永沼舞華氏(画像左)、第二部講師:事業承継センター株式会社 代表取締役 金子一徳氏

 JTによる全国喫煙者率調査によると平成30年中の成人男性の平均喫煙率は27.8%(女性:8.7%)で、ピーク時(昭和41年)の成人男性平均喫煙率83.7%と比べ大きく減少している。一方、受動喫煙による健康への影響が懸念されて久しく、来年4月から施行される改正健康増進法では主な集客施設では室内の禁煙化が義務化される。
 このような状況を背景にJTの永沼氏からは同法に基づく受動喫煙対策についてパチンコホールで取れる施策案や喫煙専用室・喫煙ブースの施工例の紹介があった。講演では日遊協が作成した「分煙環境整備マニュアル」を引用しつつ、改正健康増進法の施行後は、客室内の原則禁煙化を図らなければならないこと、喫煙専用室を設置する場合は厚労省の定める技術的基準をクリアした設備でなければならないこと、喫煙室・喫煙エリアへの20歳未満の立入り禁止義務、出入り口等へ喫煙に関する標識の掲示義務が生じること等の説明があった。その上で加熱式たばこ(たばこ葉使用製品)は経過措置として、喫煙専用室と同等の技術的基準を満たす喫煙エリア内であれば使用可能であるため、ホールの客室を喫煙エリアとすることで遊技しながらの喫煙が可能である点を紹介。ただし加熱式たばこ喫煙エリアを設置する場合でも技術的基準のクリア以外にも各種義務はともなうとの注意が促された。
 その上でパチンコホールが出店する形態に合わせた分煙スタイルとして、どのような施策が取れるのかを例示。実際に取組みを実行した店舗の施工例も合わせて紹介された。

 

第二部講演 皆様にこそ使ってほしい!大改正した経営承継円滑化法の上手な使い方教えます。
講師:事業承継センター株式会社 代表取締役 金子一徳氏

 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)は中小企業の代表者が死亡等によって生じる経営の承継が事業活動の継続に影響を及ぼすことに鑑み、各種支援措置を講ずることで円滑な事業承継と事業の継続を図ることを目的に制定された法律である。具体的には遺留分の特例を定めるほか、事業承継後に中小企業が必要とする事業資金に関する支援を受けるための制度が定められている。
 事業承継センターは、事業承継を支援することで、後継者や能力不足による会社消滅を減らし社会的資産を守ることを目的に設立された会社で、パチンコホール企業も含む数々の中小企業の事業承継を手掛けてきた実績を持っている。
 講師の金子代表からは経営承継円滑化法の概略を伝えつつ、同法の平成30年度改正によって変更または新設された納税猶予制度の特例を項目毎に解説が行われるとともに、事例を交えたわかりやすい対応例も紹介された。
 経営者の交代を意味する事業承継では、先代経営者の保有株式や会社への個人貸付など相続や会社資産の算定に係る様々な手続きを要するほか、先代から後継者に引き継ぎされるものは資産だけではなく、人脈や情報などブランドステイトメントに関連するものまで多岐に亘り、先代と後継者との間でこれら手続きを円滑に進めることも事業承継における重要なポイントであるといった話も聞かれた。
 経営承継円滑化法の納税猶予制度の特例は「特例承継計画」を作成し、都道府県の窓口に提出し都道府県知事の認定を受けることを必要としており、受付期間も定められていることから、今後事業承継を進めていく予定の企業にあっては特例承継計画の提出を先行し、行程の詳細を詰めていくことが肝要だと話があった。
 なお特例承継計画の作成には、同社など中小企業庁が定める経営革新支援機関による指導・助言が必要となっている。

 

20191008部会全景